祝祭と霽れ
土壇場-ジツ・ゲンジツ-
西田 聖人
「土壇場」それは元来、近世日本にて斬首刑を行うために築かれた土の盛られた場所(土壇)を示す言葉であった。
今日、この言葉は生活の中で物事の差し迫った場面を指して使われる。しかし、往々にしてそれらは回避・打開が可能であり、ましてや首を斬られる訳ではない。避けようのない真の「土壇場」に身を置いた時、私たちは何を想うのだろうか。
ところで、概念的なことを実質的に体験する際に挙げられる1つの手段にVRがあったはずだ。この作品ではVRと物理面の両面を用い「土壇場」体験の再現を図る。この和製の体験を通じて、VR本来の本質的な機能について再発見が行われることを願う。